幼馴染みの夢
ジェットコースター関係はスルーし、(高所恐怖症のお兄様を一応はたててみる)平日の夕方ということもあり、結構並ばずに楽しんだ。

都内に住んでるってやっぱり便利。


「花火、観ていこうね。」

「ほい。花火でラストだな。」


すっかり元気になった。

兄貴に感謝。

単純な自分がなかなか可愛くって久しぶりに笑った。

「お?やっと笑いやがった。」

「へ?」

「お前さ、いつからだろ。ずっとしかめっつらで不細工だったぜぇ。」

「嘘ばっか!」

「嘘じゃねぇって。」


頭をぐしゃぐしゃにかきまわしながら、こんなんなってたぜぇって笑った。

そうかもしれない。


「うっわ〜!綺麗。」


空に上がった花火は、本当に綺麗だった。

明日、髪を切ろう。

ポニーテールには長すぎるから。

そう決心して歩き出した目の前に、見たくない二人がいた。


「あ……………。」

「どうした?誰か知り合いか?」

「………。」


あっというまに気分が下がる。


「はい………こりゃまたタイミング良く……。あの馬鹿が。」


肩にかけたバッグをぎゅっと握った。






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