幼馴染みの夢
「やる。」
「………は?」
「やるっての。飯、食えねぇんだろ?」
「まぁ………。」
「仕事、押しちゃってこんな時間になっちまったからちょっと迷ったんだけどさ、ちょっとでも腹ん中入れた方が良いかと思って。いらねぇんなら返しな。」
暗闇で、ぶっきらぼうに言うこの男。
私が大好きなの、ちゃんと覚えてた。
最近、あんまり会わないのにね。
「食べて良いの?」
「さっさとしないと溶けちゃうぞ。」
月明かりだけで探し出した一人がけの小さなソファに沈みこんだ。
「サンキュ。」
袋から取り出したメロン。
緑色のメロンに入ったアイス。
おでこに当てると、冷たくて、とっても気持よかった。
頭痛も少し楽になる気がした。
「気持良い………ありがとね。」
「まだ熱あんの?」
「ま、適当にね。」
ベッドに座り、食べずにおでこに当てた。
気休めに貼ってた冷却シートも、すっかり乾いて違うものになってる。
良く冷えたメロンは、本当に気持ち良かった。
あぁ、頭痛い。
だるいし。
熱、ちっとも下がんない。
うちにある薬じゃやっぱり駄目かな。
医者行きたくないな。
「おい。」
あの臭い、嫌いなんだよなぁ。
「おいっ。」
頭、割れそう………。
「愛!」
「……ん?」
目を開けたら、びっくりするくらい近くに顔があった。