幼馴染みの夢


そのあと、三人がどんな会話を交したのかは知らない。

チョコのお菓子を買い、ぶらぶらしながら閉園ぎりぎりまで粘った。

ゲートをくぐったら、見たくない人がいた。

無視。


「愛。」


無視。


「愛。」


愛と誠?最悪だ。


「待てって。」

「お兄ちゃん?」

「ん?」

「話しかけないで。」

「でも…」

「嫌いになりたくないから。お兄ちゃんのこと、嫌いになりたくないから。今日はありがとう。楽しかった。また、連れてきてね。」


ちゃらちゃら笑ってさっさと歩いた。


「ごめん。濂のアドレス黙ってたのは悪かったよ。でも濂…」

「大丈夫。なぁんも気にしてないから。ほら、私、濂ちゃんの興味の範囲にもういないみたいだし。見た?あの面倒臭そうな顔。久しぶりにみたな。本気で私のこと無視だよ。笑っちゃう。」


本気でおかしくなってきた。


「あんなに嫌いだったくせに彼女が頼めば来ちゃうんだ。ディズニーランド。私も随分頼んだのに一回も来てくれなかったくせにさ。」


私に笑いかけてはくれない。


「関係ないし。興味ねぇし。私のことなんかとっくにしらない人だよ。」


笑える。


「私、一人で馬鹿みたい。お兄ちゃんの方が濂ちゃんと繋がってたなんて。」

「それは、だか…」

「良いんだって。もう良いんだ。私は私。お兄ちゃんはお兄ちゃん。関係ないし興味もない。明日からまた、ちゃらちゃら女子大生やります!」


出来る限りの笑顔。


「愛………お前…」

「帰ろ?」

「…………あぁ。帰ろう。」



私は、笑うよ。

笑うくらい簡単。

私は私。

もう、誰も好きにならない。




期待はしない。



だから






寂しくもならないんだ。





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