幼馴染みの夢
「……愛?」
「アドレスだって……電話だって…………。ずっとずっと………逢いたくたって………………」
我慢してきたのに。
忘れようとしたのに。
「俺、そ…」
「良いよ……………無視……して………………忘れて………。」
涙は止まらなかったけれど……。
濂ちゃんは、ずっと眉間に皺を寄せてたけれど……。
今日で終わり。
「バイバイ……濂ちゃん。」
笑うよ。
今日で終わりだから。
掌で涙を拭い、ベッドから降りた。
「はい。行った行った。」
濂ちゃんの体を、部屋から無理矢理押し出した。
「バイバイ。」
とびきりの笑顔でドアを閉めた。
濂ちゃん。
私の前では笑えない?
不細工でも、私は笑うよ。
心の中はずっと泣いたままだけど、でも、笑うよ。
濂ちゃんが私の側に居ない分、私が笑うよ。
バイバイ 幼馴染み