幼馴染みの夢
「濂くん?」
「んー?」
帰り道の車の中。
冬馬が後ろの座席から声をかけてきた。
「返事もらえると良いね。」
「ぶっ!」
「ちょっ!きったないなぁ。」
口に含んだコーラーが吹き出された。
「てめぇが変な事言うからだろ。」
「変な事?」
「返事がどうだとか……。」
「格好良かった。」
瞳をキラキラさせて冬馬が俺をみた。
「そりゃどうも。」
「もらえると良いね。」
「お前、信じてんの?」
「……………嘘?」
「アイドルがあんな時に本当の事言うか?」
「…………濂くん?」
「三年も片想いなんか出来るわけねぇだろが。」
「鼻、汗かいてるよ?焦ってんの?」
「かいてねぇよ。」
「もらえると良いね。返事。僕、お祈りするよ。良い返事貰えるように。」
にこにこして冬馬が言った。
「その子、雑誌読むかな?」
「絶対読まねぇな。」
「読んでくれると良いね。」
冬馬が無邪気に応援してくれるから、俺も素直になろうと思えたのかもしれない。
「読んでくれると良いね。」
「そうだな。」
返事
もらいに行くよ。