幼馴染みの夢
出来上がった雑誌を確認。
鍵がかかったままの窓。
コンサートツアーの前、実は一度、昼間に屋根を渡った。
開かない窓に、軽くショックを受けた。
『今夜 10時
窓の鍵開けとけ。』
久しぶりに送信されたメール。
何度も見ては心に刻んだ愛からの最後のメール。
『ドラマ、良かったよ濂ちゃんが格好良く見えたもんね。次、楽しみにしてる 頑張れ〜』
ドラマの感想を送ってきただけのメール。
いつもなら、駄目だしばかりのメールが送られてきたのに、この日ばかりは、何故か誉めてある。
俺の想い入れが強かった回だっただけに、嬉しかった。
保存したメール。
辛いことがあるたびに読み返した。
愛から届いた最後のメール。
読み返さなくなってどのくらいたったのだろう。
今、目の前にいる幼馴染みが、素直に可愛くて、愛しくて。
何で、離れたりしたんだろう。
毎日一緒だったのに。
今更だけど、ここが、俺の居場所なんだと気付いた。
愛は、俺のものだから。
愛が、好きだから。