幼馴染みの夢
「れ……ちゃん…………どこ……」



寝言?



久しぶりに呼ばれた名前。


ここにいるよ。




「愛。」


久しぶりに声に出した名前。










「愛。」










寝惚け眼で俺を見る。










抱き上げた体が思いの外軽くて、胸が痛んだ。

ひとりにしていけなくなった。

おでこにあてた俺の手を探る愛の手。

探り当て、安心したように俺を呼んだ。









「濂……………ちゃん。」









居るよ。

ここに居るから。

ひとりにしない。










「だいすき……だよ。」










俺も、だいすきだよ。




いつのまにか空白になっていた二人の時間。


きっと、すぐに埋まるから。


二人の想いで埋め尽くせるから。





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