This is us


「え?あいはらりく?」



突然聞かされた名前に、私はぽかんとしたまま復唱した。


「そ!二年五組のバスケ部、相原陸!」


クラスメートのなっちゃんが嬉しそうに、にこにこと笑う。


淡い茶色の髪が、窓から射す日差しでキラキラと光っていて。

未だ理解出来ていない私の隣で、優花がキャーキャーと騒ぎ立てた。


「すごいじゃん!さとり!」


「…え?私何かした?」


興奮気味の優花に、私はキョトンと首を傾げる。


「あ、だからね?その相原が、さとちゃんを紹介して欲しいって言ってるんだけど…」


なっちゃんの説明に私は更に「ん?」と眉間にしわを寄せた。



何で私を?



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