This is us
Side Satori
「小田切、爪先!」
「…はいっ」
無気力で踊ると、些細な箇所で注意されるのは当たり前で。
分かっているのに、一つ一つが雑になってうまく踊れなかった。
相原くんとは、あれから一切顔を合わせていない。
体育館ですれ違っても、あからさまに避けられた。
仕方ないって思っていても、胸がズキズキと痛む。
相原くんは、なつめちゃんの為に言ったんだ。
傷付いたなつめちゃんの代わりに。
友達想いの優しい相原くん。
曲がった事が大嫌いだって、いつだかメールで言っていたっけ…。
私は、本当に最低だ。
最低で最低で、こんな想いなんて
なくなってしまえばいいのに…。
どうして、好きになっちゃったんだろう…。
「曲止めて!」
橋本先生の声に、はっと我に返った。
.