This is us



「小田切どうしたの?大会まで二週間ないのよ?!」


「すみません…」


「もう今日はいいわ。マットの外に出なさい。代わりに中村入って」



私のパート補欠の中村さんが、代わりにマットに上がる。


私が足を引っ張っているんだ…。


いっそのこと後輩の中村さんに入ってもらおうか…


どんどん深い闇にはまっていく。


気持ち一つで部活もうまくいかないなんて、情けない。


「さとり!どうした?最近変だよ。何かあったの?」

部活が終わると、優花がすぐに飛んできた。


他の皆も心配そうに、私の言葉を待っている。


「悩みなら相談乗るよ?」

「ありがとう…本当にごめんね!なんか頭の中ぐちゃぐちゃで、ちゃんと整理してくるから!」


私は、一人じゃないんだって…

気付いたら涙が溢れそうで。


堪えるのに必死だったんだ。


もう、忘れよう。


私には、部活しかないもの。



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