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「応援してあげたいけど…あいつのいい噂は聞いた事ないしね…」


噂…か。

結城くんは噂に塗り固められている。

全然違うのに。
それが真実かは分からないけれど、少なくとも私にはそう見えた。


「…だから、惹かれたのかもしれない…」


「えっ?!」


ぽつりと呟いた私を、優花が目を丸くして見つめる。


「彼と関わって、噂と違う一面をたくさん知って…なんか…うまく言えないけれど、もっと知りたいって思ったんだ…。誰も知らない結城くんを、知りたいって…」


「そっかぁ…確かに噂ばっかりで、本人と話したこともないのにそうやって決めつけていた部分ある…」



優花がぱちりと指を鳴らして、頷いた。


そう、気付いたんだ。


本人に触れたことのない人達が、見た目や偏見だけで性格を決めつけたり。


勝手な事を言ったりするのは、集団生活で当たり前になってきている。


だから、惑わされてはいけないんだ。


噂を鵜呑みにしちゃいけないんだ。


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