This is us
「さとりは後悔しないの?」
「…分からない。後悔しないって言ったら嘘になる」
だって、そう言った今も彼の事考えてしまっている。
いつの間にか彼は、私の心に入ってきて。
気付いた時には、支配されてたんだ。
彼の隣にいる事が、心地良くて。
どんな顔して笑うんだろうって…
どうしようもなく、会いたくなる。
「無理矢理忘れなくてもいいんじゃない?」
「うん…」
優花が私の頭をポンポンと撫でてくれた。
想う事くらいなら、許されるよね…―――
床を強く蹴って、タンッと音が鳴った。
指先から爪先、全てに力を込めて高くジャンプをする。
昼休みに再び一人練習することにしたんだ。
今回は団体だけじゃなく、個人もあるから。
前回以上に練習に励んだ。
「小田切、一人で練習?」
教官室から、橋本先生が顔を出す。
「はい!」
「偉いじゃない。少し見てあげるよ」
「ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げて先生を見ると、深く笑っていた。
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