This is us




「佐々木ってさ…」


「をえっ?」


突然話しかけられて驚いたのか、横から変な声が聞こえたけれど。


無視して続ける。


「何で俺に構うの?」


「何でってぇ…そりゃ友達だからだろ?」


いつものおちゃらけた口調ではなく、真面目なトーンで話す佐々木。


「友達か…」


「蓮ちゃんはそう思ってないかもしれないけどさ、俺は友達だと思ってるよ」



その言葉は、ぽっかり空いた穴を埋めてくれるような…そんな温かなものを感じた。


「…俺も思ってるよ、お前は何だかんだいい奴だって」


佐々木は、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして俺を見ている。


その顔が何とも言えず面白くて、ふっと笑みが零れた。



「あーっ!」


「んだよ、いきなりでけぇ声出すなよ。授業中だろ」


「だって!俺初めて見た!」


佐々木は興奮気味に俺を指差して、口をぱくぱくさせている。


.
< 110 / 388 >

この作品をシェア

pagetop