This is us



思うように伸び伸びと出来ない。


投げ前転は失敗して、スティックを持つ手が震えた。


よろけたり、バランスを崩したり…



曲が終わって拍手が鳴る中、私は恥ずかしさと悔しさで、深く下げた頭を上げたくないと思った。



「小田切、そういう事なのよ」


「…はい」


「もっともっと完璧に近づくためには、とにかく練習。団体は良かったけれど、個人はまだまだ練習不足。それにどんなに踊り込んでも、構成や技の成功率が低ければ変える必要もあるの…」



終わった後、橋本先生の所へ走った。

まだまだ甘かったんだって、自分でも痛いくらい感じる。


この前の大会から、結局ちっとも変わっていないんだ。


そう思うと悔しくて、拳をぎゅっと握る。



「でも小田切…」


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