This is us
「いやいや!無理だってば!」
「はい、本人も快く承諾したので!我が二年三組のミスは小田切さんにけってーい」
わあっと歓声と拍手が教室を包んで。
クラス委員の島崎さんが、眼鏡を持ち上げてニッコリと笑った。
立ち上がって猛反対した私は、唖然としたまま黒板に書かれた文字を見つめて。
「…そんなぁ…」
『小田切さとり』と白くくっきり浮かんだ自分の名前に、深い深い溜息を吐いた。
一ヶ月後に控えた文化祭。
うちの高校は毎年恒例の、ミス・ミスター西高を決めるイベントがあって。
私はクラス投票で見事に選ばれてしまった。
ちなみに三組のミスターは、剣道部の北川 翔くんで。
彼は私と違って、喜んでいるようだ。
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