This is us

Side Ren




今年もまた面倒な季節がやってきた…。


机に伏せていた俺を、後から突かれて顔を上げると。


クラス全員が、俺を見ていた。



「…何?」


俺を突いた張本人、佐々木にいつになく低い声で聞いてみる。



「殿、見事にうちのクラスのミスターに選ばれたでございます」


佐々木がニヤニヤしながら耳打ちした。



「は?」


「ほらほら照れなさんな!委員長!オッケーだよ!」


教壇に立つクラス委員に、佐々木が大きな声でオッケーサインを出す。


「お前!ふざけんなよっ誰がやるか!」



たちまちキャーキャーと教室中がうるさくなり、拍手がわいた。


「いいじゃんか〜?西高のイケメンは蓮ちゃんに限る!」


「お前代わりにやれよ」


「なんと!もったいなきお言葉にございまする」


ああ、もう。


ふざける佐々木に、頭を抱えて。


去年の文化祭を思い出す。

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