This is us
「まぁまぁ、そんな蓮ちゃんにとっておきの情報を教えてあげるからさ」
「どうせろくでもない情報だろ?」
俺は腕を組んで深く椅子に腰かける。
クラスでは次にミスを決める投票を行っていて、それをぼんやり遠目に見つめた。
「いやあ、これはおいしい話なんだけどなあ…」
「ふうん?」
「蓮ちゃ〜ん」
佐々木が構って欲しいと駄々をこねる子供のように、腕にしがみついてくる。
「何だよ、鬱陶しい」
「興味ないの?」
仕方なく視線を合わせると、佐々木の顔がドアップで飛び込んできた。
「ちっ近い」
「ねぇねぇ」
本当、こいつそっちの気があるんじゃないかと疑ってしまう。
「別に、どうでもいいよ。言いたきゃ言えばいいだろ?」
「ふっふん、実はさ…」
俺の耳に内緒話をする佐々木を、クラスメートが怪訝な顔でじろじろ見ている。
俺はそれを聞いて、心臓が一度大きく鳴った。
.