This is us



「…どう?」


「ど、どうって…別に…」


「え?顔赤いけど!」


ああっ畜生…

完璧動揺している。



『三組のミスは、小田切さとりだって』


何回も佐々木の声が、頭の中で再生されて。


ぶるぶると頭を横に振った。



「え…マジで動揺してんの?」


そんな俺を見て、佐々木がぽかんとしている。


「してねぇよ」


顔にかかった前髪を払いながら、必死に自分を取り繕った。



おかしいだろ。

俺には関係ない…


なのに、久しぶりに聞いたその名前にどくどくと脈が速くなった。


「もう、素直じゃないなあ。蓮ちゃんは」


「っるせぇよ」



本当に、おかしいんだ。


佐々木のせいで、何も考えられなくなる。


思考が小田切で埋め尽くされていく…


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