This is us




「蓮ちゃんこれ見た?」


「何それ」


「当番表だよ。ほら、うちのクラスプロミスリング売るじゃん?」


佐々木がひらひらさせている紙を受けとって、自分の名前を探す。


「よりによって何でプロミスリングなんか売るんだよ…」


意味分かんねぇ。


名前の順で書かれた名簿の一番最後に、『結城蓮』があった。


「食品やりたかったけど、ジャンケンで負けたんだってさ」


確か小田切のクラスは、カフェをやるって言ってたっけ。


「佐々木!」


「をえっ?」



突然大きな声を出した俺に、佐々木が驚いて目を丸くした。


「どうなってんだよ、この当番表」


「…俺作ったわけじゃないからねぇ…確かにそれ可哀相…」



明らかに多い。


店番の回数が、俺だけ異常に多い。



ミスミスター西高のイベントに出る時間帯以外ほとんど店番になっていた。


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