This is us



「冗談じゃねぇ」


「まぁまぁ!蓮ちゃんが店番してれば、売上が三割増しになるんだよ」


「俺は深夜のタクシーじゃねぇの」


「わーってるよ、けどさ!ほら、俺だって一緒だし」

佐々木の必死のフォローも空回りしすぎて余計に腹立つ。


「ぜっってぇやらねぇから」



佐々木に当たってもしょうがないって分かってるけれど。


この怒りはどうしても止められなかった。


「あーっ、佐々木!結城くん!どこ行く気?!」


佐々木と二人教室を出ようとして、クラスの女子が大声で呼び止める。


「なんで俺は呼び捨て?」

「ちゃんと当番やってよね?男子達ほとんど準備に参加してないじゃない!」


「う…」


佐々木が俺をチラッと見上げた。


「結城くんも!」


「…分かったよ」


渋々頷く俺に、佐々木は何が面白いのかニヤニヤと笑っている。


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