This is us



「てか、うちのクラスもう店番ないから自由時間じゃん!」


佐々木の表情がさっきからコロコロ変わるのについていけない。


「だな」


「やったね!どっか行こうぜ」


ぴょんぴょん飛び跳ねる佐々木を、通行人が怪訝な顔で見ているのに、彼は気付いていないのか。


とにかくうざい。


「一人で行ってくれば?」


「えぇっ?!冷たいこと言うなよ〜」


結局ぶつぶつ言いながらも、俺の後をついてくる佐々木。


俺は屋上へ向かった。


分厚いドアをゆっくり開くと、誰かいるのが見えて慌てて閉める。


「ん?どうした?」


佐々木が興味津々にそっとドアの隙間から外を覗く。


「あ、小田切さんと…誰だあいつ…?」


小田切という言葉に、はっと佐々木を見た。


「見たことない顔だな。って、うちの学校じゃないじゃん!」


「…それで?」


「いや、なんか…二人とも真剣な感じだよ?も、もしや…」



佐々木が振り返って、見てみろって言うように促す。

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