This is us



「さとり!」


「優花!」


心配して来てくれたのか、優花は肩で大きく息をしながら階段を上る。



「遅いから心配で…」


「ごめんね!大丈夫だよ」


「良かった…」



ホッとして、踊り場にへなへなと座り込む優花。



「いくらナンパとは言え、柄悪かったからさ」


「結城くんが助けてくれたんだ」


「えっ!?マジ?」


優花は目を丸くして驚いた。


私は頷いて、優花の手を取り立ち上がらせてあげる。



「ちょっと〜!良かったじゃん!」


「本当、ビックリしたけど…助かったよ」



私以上に喜んでいる優花に、なんだか照れ臭くなるけれど。


嬉しくて私もふわりと笑った。




「あ、小田切さん!もうすぐイベント始まるから体育館行こう!」


教室の近くまで来た時、北川くんが私を探していたのか、慌てた様子で人波をかきわけてこちらへ来る。


「行ってらっしゃい!なっちゃんと見に行くからね」


「うん!ありがとう、またね」


優花は私と北川くんを見送ると、教室へ入って行った。


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