This is us



「そ、そうだよ…はは」


「あ、それって結城の方がカッコイイって事?聞き捨てられないな〜」


「ちっ違うよ!違う違う」


慌てまくりの私を余所に、北川くんは面白そうにお腹を抱えて笑っている。


そんなに可笑しいの?!



「小田切さん面白いな。テンパり過ぎだし」


「北川くんだって、笑い過ぎ!」


もう。この人は…

はあっと大きく溜息を吐く。


結城くん去年すごい人気だったもんなぁ…。


顔の傷が気になる…

私のせいで出場出来なかったらどうしよう。


そう考え出したら、緊張なんてそっちのけで不安になってくる。


「小田切さん?」


「ふえ?!」


「目死んでたよ」


北川くんは瞳をくりくりさせて私を見た。


可愛いその仕草に、ゴクリと唾を飲み込む。


「死んでません」


「こんな風になってたよ」


北川くんはクスッと笑い、白目をしてみせる。


「し〜て〜ま〜せ〜んん」


「はいはい。ボーッとしてる間に次だからね」



「嘘っ?!」


大歓迎が湧いて、一年生から順番に始まり…

いつの間にもう二年生に入っていたんだ。


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