This is us
切なさと苦しさを備えたまま日々が過ぎ、十一月に入った。
吐く息が白く色付き、山や葉は艶やかな赤色に変わる。
それに比例するかのように、気持ちも鮮明に色付き始めていった…―――。
「実はさ…」
佐々木が神妙な顔つきで俺に話しかけてきた。
「何?」
ふざけてばかりいるくせに、珍しい。
テストの点数が悪かったのか?
「フラれたよ」
「は?」
フラれたって、本川に?
かなり落ち込んでいるのか、すっかり萎れている。
「フラれたんだよお!蓮ちゃ〜ん!!」
「おいっやめろって」
やけくそになって俺にしがみついてきたもんだから、俺は頑なに拒否した。
.