This is us


「大丈夫?疲れとストレスからきた貧血ね」


「はい、大丈夫です」


「あ、お友達が外で待ってたわよ」


先生はニッコリと笑うと、机に戻っていった。



「さとちゃん!」


「大丈夫?!」


廊下で待っていたのは、なっちゃんと優花だった。


「うん!心配かけてごめんね」


「ほら、鞄持って来たよ?」


優花が私の鞄を渡してくれる。


「サンキュ」


「うちら送ってくよ?」



なっちゃんがポンッと私の背中を軽く叩いた。


「大丈夫大丈夫。後夜祭もあるでしょ?一人で帰れるよ」


「途中でまた倒れても知らないよ?」


「平気だって!本当ありがとね」


優しく気遣ってくれる二人に笑顔で手を振る。


今日だけは…


今日だけは、いっぱい落ち込んでいいよね。


泣いたっていいよね…。



帰り道、私は堪えていた涙を静かに流した。


もう、忘れちゃいたい。


全部、全部…忘れちゃいたいよ…―――



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