This is us
パラパラと雨が傘を叩いて、弾ける。
彼女が濡れてしまわぬように、なるべく傘を彼女寄りに持った。
「…話って?」
長い沈黙を破ったのは、彼女の方で。
「…あぁ」
なかなか切り出せない俺に、自分自身腹が立つ。
「その…最近、俺の事避けてない?」
俺らしくない。
俺らしいってそもそも何なのか分からないけれど。
それを聞いて、一瞬彼女の肩が震えた気がした。
「…そうか、な?」
冷たくなった手を、ギュッと握り締める。
「あからさまに避けてるじゃん…」
「………」
「何かしたなら謝るし…」
けれど、彼女は黙ったままで。
何を考えているのか、何を思っているのか…全く分からない。
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