This is us
Side Ren
帰り道、何度も思い返す。
今までに感じたことのない幸せと、予想外の出来事に胸が震える。
まさか、彼女も同じ気持ちだったなんて考えていなかった。
「あ、おかえり」
玄関でなつめが出迎えた。
「来てたんだ」
「学校で言ったじゃ〜ん!今日行くって」
そう言ってなつめは、わざと頬を膨らませる。
「あ、その傘誰の?」
閉じたピンクの傘を指差した。
「あぁ、借りた」
「だーれーに?」
「誰だっていいだろ」
「ケチー!」
俺はそのまま階段を上がって、自分の部屋へ入った。
なんとなくなつめには、知られたくない。
スウェットに着替えて、携帯を開いた。
連絡先は交換したものの、何てメールしていいのか分からず。
結局なつめに夕飯が出来たと呼ばれて、そのままポケットへとしまった。
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