This is us
「そう言えばさ、文化祭の日にさとりちゃん倒れたんだって」
「え?」
夕飯を食べ終えて、部屋に戻ろうとしたらなつめに呼び止められて。
「相原がたまたま近くにいて、保健室まで運んだらしいよ」
「ふ〜ん…」
初めて聞いた。
「まあそれだけなんだけどね」
なつめは腕を組んだまま、小さく笑う。
「じゃあ…美里さんいないし帰ろっかな」
「おう」
姉がいる時は、いつも姉の部屋で色々話してから帰るけれど。
最近は全く家に帰る暇もない程、忙しいらしい。
「蓮ちゃんおっはよ〜ん」
「…おう」
次の日、学校へ行くとすぐに佐々木に出くわした。
「あ〜眠いなぁ…」
そう言って大きな欠伸をする佐々木。
俺はチラチラと佐々木を見ては、溜息を吐いた。
こいつに小田切との事を話すべきか…。
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