This is us
「…昨日、小田切に告った」
周りに視線を向けながら、佐々木の耳元で囁いた。
佐々木は瞳を真ん丸にして、ガバッと口に手を当てる。
その顔にフッと笑いをもらした俺は、ゆっくり頷いた。
「ま…マジ…?」
「おう」
「蓮ちゃーーーんっ!!」
突然佐々木が、俺の首に抱き着いてきて。
教室がザワッと騒がしくなる。
「おい!やめろ!勘違いされるだろ?!」
「だって〜!!」
離そうとするけれど、力が入り過ぎていてびくともしない。
「苦しいから」
何でこいつがこんなに喜ぶんだよ。
「おめでとう」
明るく無邪気な笑顔を見て、少しホッとした。
こいつになら、心を開ける。
こいつとなら、本当の友情を信じられる。
そう思った。
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