This is us
私にはまだずっとずっと先な気がして。
遊びたい。
部活。
受験なんて、まだまだ…。
けれど、優花も来月から予備校に通うって言ってたな。
やりたいことなんて分からない。
行きたい大学なんて…尚更分からない。
そもそも今の成績じゃ到底無理だろうな。
「結城くんは行きたい大学があるの?」
「うーん、どうだかな…」
「えー、それかなり焦る」
二人並んで真っ暗な道を歩く。
12月に入ってから、ぐっと寒くなった。
いつも冷え切った私の冷たい手を、結城くんは黙って繋いでくれる。
結城くんの手は、本当に温かい。
「もう今年もあと一ヶ月かぁ…」
ポツリポツリと落とす言葉に、彼はフッと笑いをもらす。
「どうせ、去年も同じ事言ってたんだろ?」
そう言われてボッと顔に火が点ったように熱くなった。
「そ、そそそそんなんじゃないし」
「図星じゃねぇかよ」
「それはおいといて!明日、どこに行きます?」
結城くんのクスクス笑う仕草に、目眩がする程ドキドキしてしまうから。
慌てて話題を変えて。
.