This is us



「アレってなんだよ」


そう言って笑う、綺麗な彼の横顔を。


いつまでも見つめていたいって思う。


どうしようもなく、触れたくなってしまう。





寝ても醒めても、君の事ばかり考えてしまう。


「あー…どうしよう」



翌日。


今日は結城くんと初デート。


鏡の前、眉を歪める自分の姿を見て焦りばかりが募る。


ベッドの上には、クローゼットから出した洋服達がいくつも散らばっていた。



「結城くんて…どんな服装が好みなんだろう…」



刻々と待ち合わせ時間が迫る中、雑誌をパラパラと読み漁る。



「ごめんなさい…」


結局、待ち合わせ時間に15分も遅刻した。


「遅せぇよ」


腕時計で時間を見ながら、彼は不服そうに低い声を出す。


「お…怒ってます?」


「怒ってねぇよ。行くぞ」

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