This is us



「れーんちゃん!サッカーやろうぜ」


「却下」


「いいじゃーん。ほら、行こ行こ」


無理矢理腕を引かれて、あからさまに溜息を吐いた。


この女みたいにうざいキャラの佐々木は、教室で一人でいる俺に常に絡んでくる。


しかもこの炎天下でサッカーなんて、絶対にやりたくないと思っていたのに。


いちお部活はサッカー部に所属しているものの、顔を出すのは気分次第だし、明日から夏休みということもあって、今日は行かないつもりだった。



「こりゃいい汗流せるな」


憎いくらいに眩しい太陽を仰ぎながら、佐々木はニカッと笑って白い歯を見せる。


「マジだるいんだけど」


「なーに言ってんだよ。ほら、見ろよ。あのギャラリー達を」



佐々木が指注すのは、校庭に面した教室棟。


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