This is us
「どうした?」
「えっ?」
改札を出た所で、頭上に落ちてくる彼の声。
弾かれたように顔を上げると、綺麗なブラウンの瞳と目が合った。
「顔色悪い」
「そそそんな事ないよ?ほら、お昼時だからお腹空いたな〜って」
そうだ。
今は余計な事考えるのは辞めよう。
「じゃあ、飯食うか」
「うん」
結城くんと並んで歩き出すけれど。
「あの人カッコイイ」
「今の人やばくない?!」
すれ違っていく女の子達が、口々に黄色い悲鳴を上げる。
「チェッ、彼女連れかあ」
さっきのギャルなんて、逆ナンする気だったみたいだし。
「何食べたい?」
そう言った結城くんの声が耳に届かなかった。
「聞いてる?」
「え!何?」
聞き返した私に、溜息を吐かれてしまった。
「何食べたいかって聞いた」
「あぁ…えーっと…ラーメン?」
「本気?」
言われてはっと息を呑んだ。
私ってば…初デートにラーメンって…。
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