This is us
Side Ren
一緒に過ごす時間が、長ければ長い程。
彼女の色々な一面を知っていける気がした。
「あ〜、美味しかった」
念願のラーメンが食べられた小田切は、嬉しそうに笑う。
少なくとも今まで付き合ってきた女の中に、初デートでラーメンを食べたいと言った奴はいなかった。
やっぱりこいつ、違うな。
まぁそこが彼女の良い所でもある。
変にカッコつけたりしない。
飾らない、そのままを見せてくれる。
鼻につく香水を惜しみなく振り撒いて、尻尾を振って機嫌を伺う女とは、全く違う。
「My Sweet Catちょうどいい時間だね」
「あぁ」
小田切が見たいと言っていたアレ。
猫が人間に恋をするという感動ラブストーリーらしい。
チケットを購入し、楽しみだと何度も口にする彼女を見て、心が綻ぶ。
「ほら、最新の3Dだよ」
「…そうだな」
まさか人生初に見る3Dがこの映画だなんて、思ってもみなかったけれど。
まぁ、いっか。
すげぇ嬉しそうだし。
それだけで、胸がいっぱいになる。
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