This is us
「おはよう。あれ?髪色明るくした?」
下駄箱で北川くんに声をかけられて、ぱっと顔を上げた。
「おはよ。うん、分かる?」
「分かる分かる!なんか雰囲気変わるね」
そう言われると、やっぱり嬉しくて自然と頬が緩む。
「ふふ、イメチェンイメチェン」
日曜日に美容室を予約して、ほんのりブラウンだった髪色を変えたんだ。
部活があるからあまり明るくは出来ないけれど。
「いいじゃん。イイカンジィ〜」
「プッ、その言い方古いし」
わざと語尾を上げて言う北川くんにツッコミながら、教室へと向かう。
文化祭を通して北川くんと一気に仲良くなった。
「おはよう」
クラスメートと挨拶を交わして、自分の席へつく。
まだ優花もなっちゃんも来ていないみたいだ。
窓に映る自分の姿を、何度もチラチラと確認する。
日の光が差し込んでいるせいか、染めたばかりのブラウンが明るく光っていた。
少しでも、綺麗になりたくて。
少しでも、結城くんと釣り合いたくて。
普段あまりしないメイクも、これからはちゃんとしていこうって思う。
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