This is us
「さとり、おはよ〜」
「あ、おはよ」
優花が教室に入って来た。
今日も可愛いな。
「あれ、染めたの〜?」
「うん、変かな?」
優花は私の前の席に座り、瞳をぱちぱちと瞬かせる。
「ううん、似合ってるよ。ビックリしたけど」
「綺麗になろうって思ってさ」
そう口にすると、優花はクスクスと笑いをもらした。
「へえ〜なるほどね。でもそのままでもいいのに」
彼は気付いてくれるだろうか。
似合うって言ってくれたらいいな…。
少しの期待と、少しの不安。
けれど、携帯に入ったメールで気持ちは一気に暗くなってしまった。
『ゴメン。今日先帰る』
心と裏腹に綺麗な冬晴れの空が広がっている。
まだ一日はこれからだと言うのに。
全部の力が奪われてしまったみたいだ。
でも毎日毎日部活が終わるのを待ってもらっているんだ。
今日くらい…
そう自分を励まして、一日を明るく過ごした。
なのに…
.