This is us

Side Ren




「れーんちゃん!」


「…あ?」


休み時間机に突っ伏して寝ていた俺は、こめかみに亀裂が入るのを感じながらも上体を起こした。



佐々木は相変わらず、元気と言うかうざいと言うか。


多分後者の方がぴったりと当てはまるだろう。



「次、移動教室だよ」


「…何だっけ?」


「ん?生物だけど」



俺は崩れた髪型を整えながら、窓から射す眩しい光に瞳を細める。



「…パス」


席を立って保健室へ行こうとする俺に、佐々木が慌てて追いかけてきた。


「ちょっと蓮ちゃん!またサボるのかよ」


「うん。マジ、眠い」



佐々木は少し目を見開いて、後頭部を掻きながら困った顔をしている。



「うーん…じゃあさ、お茶でも飲みながら話をしようじゃないか」



「話?俺眠いんだけど」



眠過ぎて体がフラフラする程なのに。


「まぁまぁ、硬いこと言わずにさ」


佐々木は教科書を乱雑に机に置くと、俺の肩を押して廊下へ出た。


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