This is us



「蓮ちゃんと三年も同じクラスになれるとは限らないじゃん?色々先の事考えたら寂しくなっちゃってさ」


「女々しいな、お前」


「もーう。蓮ちゃんも少しは寂しがってよ〜」



佐々木に貰ったココアを開けて、一口飲む。

久しぶりに甘ったるいものを口にしたな…。



「…なんか三年になってもお前が隣にいる気がするけど」


不思議な位、佐々木と一緒にいるのが当たり前になっていた。


そう言って少し口角を上げると、佐々木はとびきり嬉しそうに笑って。



ホットココアのせいでもあるけれど、胸がホカホカと温かくなった。



「そういや最近は小田切さんとどうなの?」


「どうって?」



「順調?ケンカとかしないの?」



そういや初めて二人で出掛けた日から、会っていないんだ。


それは、俺がバイトを始めたから…



急に叔父から仕事を手伝って欲しいと連絡が入り、学校が終わるとすぐにバイトへ走って行く。


人手が足りなくなった小さな町工場で、毎日夜遅くまで働いた。



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