This is us
「でもなんでそんなバイト引き受けちゃったの?」
それを話したら、佐々木は驚きながら身を乗り出す。
「いや…なんつぅか、一日五千円だし…小田切に何かプレゼント買ってやれるなって」
「ヒュー!やるねぇ。小田切さんにバイトの事ちゃんと言ってあるの?」
「あ…」
言ってない。
ただ『先に帰る』しか伝えていなかった。
「うわっそれ、不安だよ」
「不安?」
「だって、蓮ちゃんが何で先帰るか知らないんだろ?きっと不安がってるよ」
佐々木に言われるまで、全く気が付かなかった。
いつもメールでは『分かった』と絵文字付きで送られてくるから、小田切の本当の気持ちを読み取る事ができなかったんだ。
「でもこの前、電話で冬休み入るまでは会えないって話したけど」
「えっ?マジ?蓮ちゃん冷た〜い」
冷たいって言われて、佐々木を横目で睨む。
佐々木は慌てて口をつぐんで、「だって…いや」と言い訳を考えているようだ。
.