This is us



「27日さとり午後空いてる?」


「あ、うん…空いてる」


「よし、この日にしよう!」



胸がそわそわして落ち着かない。

鳴らない携帯ばかり気にしてしまっている自分に、ひどく苛立った。


「さとり?」


一点を見つめたままの私を、優花が怪訝そうに覗く。


「あ、ごめん」


「まだ結城の事で悩んでるの?」



そう言われて私は頷き、俯いた。


「自信が…ないんだ…」



手帳に暗い影を落として、唇をキュッと噛み締める。

グロスの苦い味が、胸の痛みとリンクする。



「さとちゃん可愛いのに、自信なさすぎだよ」


「そうだよ。付き合ってるんだよ?わがまま言ったり、寂しいって言っていいんだよ」



どうして、こんなにネガティブになってしまうんだろう。


私を好きって言ってくれた、結城くんを…



信じていない証拠だ。




「うん、ありがと。自信持つよ」



一生懸命、なっちゃんと優花が励ましてくれるから。


私は笑顔で二人と別れた。


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