This is us



「…も一度、気持ち聞かせて…?」


ずるいと思った。


いつも私ばっかりドキドキしたり、好きって気持ちが溢れちゃうから。




彼は一瞬ポカンとしたけれど、フッと儚く笑って。



「…好き」



私の頭をぐいっと引き寄せて、低い声で囁いてくれる。



「結城くん…」



背伸びなんてしなくていい。


そのままの、ありのままの私でいい。



釣り合うとか釣り合わないなんて、他人にどう思われようが、私達はちゃんと想い合っている。



それ以上、理由なんていらないのかもしれない。



少しね、自信を持って歩けるようになったよ。



結城くんのおかげで…




だから、香川さんが私達のやりとりを見ていた事なんて全く気が付かなかったけれど。



何も怖くなんてない…



私は、結城 蓮の彼女だって胸を張って言うだろう。



< 231 / 388 >

この作品をシェア

pagetop