This is us
「…嫌いになった?幻滅した…?」
やっと落ち着いた私は、鼻にティッシュを小さく詰めたまま俯いた。
「まさか!むしろその逆」
「…ぎ逆って?」
恐る恐る顔を上げると、結城くんの綺麗な瞳と目が合う。
けれど、彼はすぐに目を逸らして笑いを堪えている。
「好きになったって事」
「…嘘。笑ってる」
「いやだって…ふっアホ過ぎて笑わねぇ方がおかしいだろ」
「そもそも結城くんが悪いんだからね?」
笑いすぎてお腹が痛いのか、彼はお腹を擦りながら苦しそうに私を見た。
「人のせいにするな」
「えー…本当の事だもん。刺激が強すぎて」
「はは、じゃあもう何もできねぇじゃん」
そう言われてはっとした。
男の子と部屋で二人きり。
何をしてもおかしくない状況。
私、何も考えていなかった。
ローテーブルに広げられた教科書やシャーペンがひどく遠く感じる。
隣には、大好きな彼がいて。
急に緊張が私を襲った。
.