This is us

Side Ren

「おっはよーう、蓮ちゃん」


「おう」


後ろから思いっきり背中を叩かれ、振り返ると佐々木が笑顔で立っていた。

今日から新学期。二週間の短い冬休みはあっという間に終わってしまって。

久しぶりに朝早く起きた俺は、朝から欠伸が止まらない。

「テンション低っ。あ、あけおめ!」

「おう」

なんとなく。
なんとなくだけれど、周りが何かを噂している。

慣れている俺はいつもあまり気にはしていなかったが、今回は雰囲気が違う。

「佐々木、俺の噂何か知ってるか?」

「え?あー…あれでしょ?蓮ちゃんと小田切さんの事」

佐々木の顔が急に曇った。
本当、女って噂好きだな。

「何だ、もう噂んなってんだ」

「まあ…しょうがないんじゃない?発信源が香川さんだってのはちょいと引っ掛かるけど」

下駄箱で靴を履き替える。
周りの生徒がチラチラと好奇の目を向けてくるのが、嫌でも分かった。


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