This is us
「いやー、なんか蓮ちゃんて本当すごいな?改めて思ったわ」
誰もいない特別教室へと忍び込んで椅子に腰を下ろすと、ようやく心が落ち着いた。
「全然嬉しくねぇ」
「まあまあ…そう言えば、小田切さんネックレス喜んでた?」
頬杖をついて佐々木は俺の顔を覗く。
外は澄んでいて晴れ渡っているけれど、暖房器具がないこの教室はかなり寒かった。
カーディガンの袖を手繰り寄せて手に息を吹きかける。
「泣いて喜んでた」
「まじか!よかったな」
「最終的には鼻血出した」
思い出すだけで笑みが溢れた。
佐々木も"なんだよ、それ"と興味津々に先を促してくる。
それだけで、愛しくなって今すぐ会いたいと柄にもなく思ってしまうんだ。
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