This is us


「あたし結城と話すの初めてかも!ちゃんと
紹介してよね、彼氏」

「うん。するする!」


彼氏って響きにまだ慣れない自分がいて。
なんだか照れ臭く感じる。

「優花は最近彼氏と順調なの?」

「うん。でも今あっちは受験生だからね…あんまり会えないけど」

「受験かあ…すごく嫌な言葉」

私達もあと三ヶ月で受験生になるんだ。
冷たい風が頬を突き刺して痛い。
優花はそんな私を見て、クスクスと笑った。

「さとりは本気で勉強しないとヤバイよ」

「分かってますよ…でも本当に勉強嫌いだし」

自分の進路なんて分からない。
馬鹿だからきっと行ける大学なんてないし、出来ることなら行きたくないとさえ思う。

行くなら結城くんと同じ大学に行きたいな…なんて、浅はかな考えが浮かぶ。

「着いたー」

駅から少し歩いた場所に、結城くん達がいるファミレスがあって。
ガラス越しに店内を見ると、うちの学校の生徒はどうやら結城くん達だけみたいで、すぐに分かった。

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