This is us
すらっとモデルのように背が高くて、完全に私は見下されている。
大きな瞳を縁取る長い睫毛は、必要以上に存在を主張して。
その目力に睨まれている私は、それだけで石になってしまいそうだ。
「あんたさぁ、蓮の何なの?」
「何って…彼女だけど」
それを聞いた周りの取り巻きがクスクスと笑う。
「は?蓮の彼女なわけないでしょ。あんたみたいな奴相手にされてると思ってんの?」
「…思ってる。そう言うあなたこそ、相手にされていないんじゃないの?」
お互いにムッとした表情で、感情をぶつける。
「マジこいつ生意気。てか、目障り」
香川さんの隣にいる女が、一歩踏み出して私の肩を押した。私はよろけたものの、バランスをとって倒れずに済む。
「勘違いしてんじゃねーよ」
けれど、脇腹を蹴られて私の身体はコンクリートに投げ出された。
蹴られた所が、じわりじわりと痛くて。
「お前みたいな奴は蓮に近付くなっつーの」
香川さんが上履きのまま、私の手を踏んで。
「そうやって…」
私は血が滲む手を抑えながら、ゆっくりと立ち上がった。
擦りむいた箇所がひりひりと痛むのを、ぐっと堪えて。
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