This is us


「あ、待ってよ〜」


すぐに後を追ってくるのが分かったが、気にせず廊下を突き進む。


途端に周りが騒がしくなる。

カメラのシャッター音が、喧騒に混じって聞こえてくるのにうんざりしながら。


なるべく下を向いて歩いていく。


一体どうなってんだよ、この学校は。


俺は芸能人でも何でもない。


許可なく写真を撮られるのは本当に不愉快。



「あ、蓮ちゃん帰っちゃうの?」


たまたま廊下ですれ違った佐々木が、俺を引き止めた。


「うるさい」


「うわっご機嫌ななめさん…」



一段と低い声に、佐々木はそれ以上何も言わない。

それどころか、


「はーい、良い子の諸君!結城蓮の写真はこのマネージャーの佐々木健吾を通してもらわないと困るよ〜?」



なんて廊下に群がる女達に自ら立ち向かってくれている。


マネージャーだなんて全く認めてないんだけど。



「黙れ!佐々木〜」


「何がマネージャーだよ!この金魚の糞っ」


かなりのバッシングを喰らっていた。


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