This is us

Side Satori



「何食いたい?」


フードコートに来たものの、パスタからラーメン、うどん、ファーストフードと色々な店が入っていて。

「どうしよう。あ、クレープもある」

「昼飯にクレープはないな」

ついつい選択肢にクレープも入れてしまう私に、結城くんは首を捻って否定した。

「そ、そうだよね!じゃあ、ラーメンにしようかな」

「出た。ラーメン好きだな」

「あ…そうだ」


初めてのデートでもラーメンが食べたいと言ってしまったのを思い出す。

「いいよ。俺もラーメン好きだし」

「本当?」

「あぁ。でもさとりには負けるかもな」

彼は悪戯に笑って、私の手を引いた。

私の心臓はバクバクで、お腹が空いていることなんてどこかへぶっ飛んでしまう。

そんな事も露知らず、彼はラーメンのお店に並び、食券を買った。

.
< 270 / 388 >

この作品をシェア

pagetop