This is us


やっぱり頂上でキスとかキスとかしたりするのかな…。


「あーあーあー」

「な、何だよ?いきなり」


両手で耳を塞いで変な思考を中止にしようとした私を、結城くんは奇妙なものを見るかのように一歩後退りをした。

「いや…えっと、アレだよ」

「アレじゃ分かんねぇだろ」

駄目だ。頭がまわらなくて言葉が出てこない。

「そうだ!く、クレープ食べたいなって思っててけ、消そうとしたんだ」

我ながらナイスだと思って、余裕の笑みを浮かべた。

「そんなに食いたいなら観覧車乗った後食いに行くか?」

彼は怪訝な顔をしたけれど。私は笑顔でコクコクと上下に頷いた。

「結城くんはクレープ好き?」

「いや…食わない、かな」

「甘いもの嫌いなんだ?」

ごくりと唾を飲み込む。彼はどこか遠くを目を細めて見ていたけれど。

「嫌いでもない。マカロンは好き」

「ぷっ」

真面目な顔でマカロンガ好きだなんて言われたら、思わず笑ってしまった。

か、可愛い…

「何だよ」

「ううん、可愛いなって」

彼は何か言いたそうだったけれど、順番がまわってきたので私達は観覧車に乗り込む。

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