This is us

Side Ren




「なんか蓮ちゃん最近機嫌良いよね」


「そうか?いつもと変わらねぇよ」


今は昼休み。皆それぞれ机の上に弁当箱を広げて、騒がしい時間だ。

俺と佐々木は席が窓際の前後だからか、教室の端で窓に寄りかかりながら食べるのが日常で。

卵焼きを頬張りながら、佐々木はそんな事を口にした。

「いや、前はもっととっつきずらかったもん」

「ふーん…」

「そう言えば、週末小田切さんとデートしてきたんでしょ?教えてよー」

佐々木は耳に手を当てて、ニヤニヤしながら俺を見る。
俺は紙パックのお茶を飲んでいたけれど、思い出して噴き出しそうになった。


「なになに、めっちゃ気になりますなー!そのリアクション」

「べ、別に普通だよ」

「普通って?」


佐々木が聞きたがっていることはだいたい分かる。いやらしい顔にしっかり書いてあるから。

「一緒に水族館行ってきた、それだけ」

「えー、もっとさ…何かしたとか、何かないの?」

不服そうに足をバタバタさせて、俺の椅子を蹴りながら。
じーっと真顔で俺を見つめてきた。

気持ち悪りぃな、相変わらず。


「では、単刀直入に言う!エッチはしてないのか?!」


.

< 276 / 388 >

この作品をシェア

pagetop